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2005年 06月 07日
ドイツ映画祭に行ってきました。忙しいといいながらも、どうしても見たい作品があって、しかもこういうのって日本で公開されないしビデオもでない確率が高いから、スケジュールを変更してでも行きたいのですよね~。
しかし、時間がなくて大慌てで電車に飛び乗ったときに限って、山の手線の逆周りに乗っちゃって、そういうときに限って本(しかも荒俣の)を読みふけっちゃったりして、全く気づかないままでいるのは何でだろう・・・。というわけで、『アグネスと彼の兄弟』、最初の15分くらいは見てません・・・。 『Agnes und seine Bruder』 2004年 ドイツ 監督・脚本:オスカー・レーラー Oskear Roehler 出演:ヘルベルト・クナウプ、モーリッツ・ブライプトロイ、マルティン・ヴァイス 他 【あらすじ】政治家として出世しているが妻や息子から見放されている長男、セックス依存症で女子トイレの覗きがシュミの次男、男から女へ性転換した三男。幸せとは言いがたい3人の兄弟は、それぞれ愛と幸せを求めて右往左往するのだが・・・。 「ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの真の後継者、と言われている監督の作品」ということで、その謳い文句に惹かれて行ったのですが・・・う~ん。確かに、ファスビンダーの得意とする「観る者を息苦しくさせるようなメロドラマ」だなぁとは思いますけど。何しろ、エキセントリックな設定と展開だったわりには、最後のオチ・まとめ方があまりに平凡すぎ・・・。そんなに簡単に次々と幸せな状況になっちゃっていいのか?じゃあ今までのは何だったんだ?と、思ってしまいました。 やっぱりこういう映画は、「幸せな状況」になっちゃダメなんだと思います、一言で言うと。「こうして幸せな状況になりました、めでたしめでたし」って・・・、、観客からしたら「あなたは運が良かったですね、だって普通は幸せな状況なんか訪れないですからね」って思ってしまうだけじゃないでしょうか? 一方、ファスビンダーが描いているのは、状況がどんどん悪くなってこれ以上無いくらいサイアク!な状況になったときに、ついに精神的な満足を得る、そういう逆説的な幸せ。状況は最悪、でもだからこそ精神的に開放される。そういう歪んで倒錯した幸せじゃないと救われない。そういう人って意外と多いと思うのですが・・・(でもそういう映画って少ない。やっぱり一般ウケしないのかな)。 でも、キャラクター造形やストーリィの細部は、かなり楽しめました。特に、女子トイレ覗きがシュミの次男が性格も顔もホントにキモイ!!! 久しぶりにキモチワルイものを見て笑いましたよー。図書館の司書なんだけれど、仕事そっちのけで女子トイレ覗きに精を出し、気がある女の子の住所を調べまくって家までおしかけたり。そのくせ性的に問題を抱えた人々の互助会で、愛犬と獣姦してしまったと告白する人に向かって「君は正常だよ。だって君は犬を愛してるんだろう?それなら普通の夫婦と同じさ」とエラソーに慰めたり(笑)。しかし、どっかで見た顔だなーと思ったら、このモーリッツ・ブライプトロイという俳優、『ラン・ローラ・ラン』『es』『ルナ・パパ』などに出てる人でした。
by houtoumusume
| 2005-06-07 14:25
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