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2006年 01月 16日
先日、「規格化された二枚目」(例:ジャニーズ)は個人的には好きじゃない、「規格化されてない二枚目」が好き、というような事を書きましたが、何だかんだ言ったって結局オマエは二枚目が好きなんじゃん、というような意見をいただきました(笑)。確かに、そうなんですよ。いや、二枚目と言いうよりも、もっと正確に言えば、美形が好きなんです!それも、現代の規格からはズレた、どこかイビツなキャラクターの美形、っていうのが最高。・・・と言っても、それはあくまでも「鑑賞用」として、です。実際には、そんな「現代とズレたイビツなキャラの美形」とはあまり付き合いたくありません。きっと話が合わないと思いますし、何かとイライラさせられそうな気がしますから(たぶん)。
そんなわけなので、「どんなタイプの男の人が好き?」と聞かれると、私はちょっと困ってしまうのです。実際に付き合いたいと思うようなタイプと、観賞用にしたいタイプと、どちらについて答えればいいのでしょうか? まぁ、どーでもいいことなんですけど。でも、世の中の人々はどうなんでしょう? 観賞用と実際用(笑)と、使い分けはしていないのでしょうか? ちょっぴり気になります。 もちろん、イビツ系ハンサム論は、実際用ではなく、鑑賞用についての話です。鑑賞用美形男子。その代表に挙げられるのは、やっぱり、いわゆる「美少年系」ジャンルではないでしょうか? 文化系女子にありがちかと思うのですが、私も昔は美少年系カルチャーにフツーに親しんでおりました(って、それがフツーかどうかについては不問)。特に中学時代、クラスメイトが、光ゲンジだ、男闘呼組だ、って騒いでいるのを尻目に、私の頭のなかでは『草の花』とか『恋人たちの森』とか『トーマの心臓』とか『モーリス』とか『ベニスに死す』などがキラキラとファビュラスな輝きを放っていまして(笑)。今思うと、ジャニーズに血道をあげている中学生女子の方が、断然さわやかで可愛いよなぁ、と思いますけど・・・。(一応断っておきたいのですが、私はヤオイ系はダメです。受け付けられません。。) そんなわけで、美少年系の代表格といえば。そう、みなさんご存知、『ヴェニスに死す』のタッジオ役、ビヨルン・アンドレセン。何かもう代表的過ぎて、飽き飽き!な気もするくらいなんですけど・・・、とりあえずせっかくなので写真をあげてみました。 しかし、この写真を見ていると、何だか思わず笑ってしまうのは・・・一体何故なんでしょうか?(笑) ビヨルン君の、マリンルック四態! (→ベルリンのゲイ・パレードレポートを参照してください。。) しかし、もう、こういう写真を見てしまうと、世の中に流布しているいわゆる美形な男子への呼称、例えば「王子」(→王子こと堂本光一)、「プリンス」(→演歌界のプリンスこと氷川きよし)、「貴公子」(→ニットの貴公子こと広瀬光治)、そんな呼称が、単なるギャグかもしくは揶揄か皮肉に思えてしまうのはいた仕方ありません。(まぁ実際、「ニットの貴公子」はギャグですけどね。え、違うの?) このビヨルン・アンドレセン(Bjorn Andresen)君は、1955年、ストックホルム生まれ。グレタ・ガルボやイングリッド・バーグマンなど、美形を産出することで有名なスウェーデンの人。原作『ベニスに死す』に「ギリシャ彫刻が現代に息づき動き出したような少年」と記述されたタジオ役を求めて、ルキノ・ヴィスコンティ監督が東欧&北欧を探し回り、やっと見つけた美少年でした。その時の経緯が『タッジオを探して』というドキュメンタリィになっています。「ルキノ・ヴィスコンティDVD-BOX第3弾」に特典として入っていますが、未見なのでぜひ見てみたいです! オーディションの時のビヨルン君。14歳。 ↓ 実は、このタッジオ少年にはモデルがいたのです。1911年、原作者のトーマス・マンは、彼の妻と兄弟と共にヴェネチアを旅行しました。そこで、トーマス・マンはセーラー服を着たポーランド人の少年、Wladyslaw Moes(11歳)と出会い、その美しい容貌に惹かれます。ドイツに戻った彼は、この出来事からインスピレーションを受けて、『ベニスに死す』を執筆したのでした。 タッジオ少年のモデル、Wladyslaw Moes。 ↓ このWladyslaw Moes氏は、1921年のロシア-ポーランド戦争に参戦し、その後ナチスの収容所を生き抜き、更に抑圧的な社会主義政権下にも耐えて、1986年に亡くなったそうです。詳しいことは、Gilbert Adair 『The Real Tadzio』をどうぞ。 ちなみに、トーマス・マンが実際に宿泊し、映画『ベニスに死す』でもロケに使われたホテルは、ヴェネチアのリド島にある、「デ・バン(DES BAINS)」という四ツ星ホテル。ヴェネチアに旅行の際には、ぜひマリンルックで訪れたいものですね。 そんなわけで、神がかり的な美貌を世界中に披露したビヨルン君。特に、美少年大好き日本女子の心をガッチリと捉えてしまったため、わざわざ来日することになりました。そして、雑誌『anan』のピンクハウスのファッションページにも登場(1971年11月5日 No.40号)。タイトルは、「ラブ時間はもうすぐエンド」 (キビシイです笑)。。ビョルンとの共演は、立川ユリ(ピンクハウスのデザイナー金子功の妻。当時の人気ハーフモデル)。アートディレクターは、堀内誠一。フォトグラファーは、沢渡朔。詩は、白石かずこ。という、非常にゴージャスなメンバー。当時の『anan』って、ファッションマガジンであると同時にアートマガジンでもあったのですね。(「金子功のピンクハウス百科事典」のサイトが詳しいです!) ほかにも、ビヨルン君は、明治チョコレート「EXCEL」のCMにも出演。 しかし、ビートルズにあこがれるようなフツーの少年にとって、世界中の人々から「美少年」「美少年」ともてはやされるのは、どんなにか気持ちが悪かったことでしょう。「イイ男」「色男」と言われるならまだしも、「美少年」ですからねー。そっち系の趣味があるならばともかく、ごくフツーの男の子が「おぉ!なんと美しいんだ!」なんて言われ続けたら、いい加減ゾッとするものじゃないでしょうか。それに実際、そっち系の誘惑も多かったことでしょうし・・・(これが一番お気の毒)。結局、ビヨルン君は美少年タッジオのイメージで見られることに苦悩し、人の目を逃れるようになり、引きこもりがちになっていきます。そしていつしか、スクリーンから姿を消しました。 ところが、最近になって、フィンランドの映画『Pelicanman』(2004)にビヨルン氏が出演。久しぶりにスクリーンにあのビヨルンが現われたとあって、マニアの間ではちょっとした話題になったようで。私はこの映画は見ていませんが、彼の近影を見て、驚愕!! アラン・ドロンどころの話ではなく・・・。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ こ、この老け込みようは・・・一体?! ビヨルン氏はまだ50歳。いくらなんでも、老けすぎていやしませんか? しかし、この老いこそが、「美少年」と見なされることに対する彼の長年の抵抗と苦悩を表しているのかもしれませんね。(ちなみに、やっぱり成長と共に顔が上下に長くなっちゃったようです) 35年前にも、似たようなポーズをとっていたビヨルン君↓ 現在、彼はピアニストとして音楽活動をしたり、映画に出演したり、充実した日々を送っているようす。ま、何はともあれ、終わりよければ全て良し、ということで!(ざっくりまとめ過ぎ) それから、もう一人、美少年を紹介したいと思います。しつこくてすみません。。 それは・・・、そう、『ターミネーター2』で日本人女子のハートを釘付けにした、エドワード・ファーロング(Edward Furlong)。ちなみに私は、ビヨルンよりも、断然こっちの方が好みです。 そして、絶対にこっちを見ないで欲しい!! エディの坊主頭四態! やっぱり、美形は坊主頭にすべき!!!(断言) (画像は、『アメリカン・ヒストリーX』) エドワード・ファーロングは、1977年生まれ。14歳で美形アイドルとなったエディですが、親類とのお金のことで裁判沙汰になったり、アル中やらドラッグ問題などあったりして、結構大変でした。それでダークなイメージがついてしまったのか、あんな美形にもかかわらず、二枚目路線で出演した作品が無いんです。ホラー映画(『ペットセメタリー2』『ブレイン・スキャン』)とか、右翼少年(『アメリカン・ヒストリー』)とか、殺人容疑者少年(『判決前夜』)とか、KISS大好きハードロック少年(『デトロイト・ロック・シティ』)とか、カメラ小僧(ジョン・ウォータースの『I Loveペッカー』)とか、キャシー・ベイツの息子役(『母の贈り物』)とか、傍流マニアックな役(か、バカな役)ばっかり。あんなに美しい顔をもっていながら、ロマンティックな恋愛ものや、きらびやかなコスチュームものに出演していないなんて・・・、考えれば考えるほどもったいない話。私がシナリオライターだったら、もう、あて書きしてドリアン・グレイとかエドガー・ポーとか厩戸皇子とかやらせるのに・・・!(って、ファビュラス系ばっか笑) しかし、その美貌をあたら無駄にしている点が、かえって私的にはツボだったりするのですけどねー(ほんと、イビツですいませんね)。 そんな、最近のエディ・・・は ↓ ↓ ↓ ついでに、おととしの9月には、スーパーマーケットでロブスターを水槽から取り出して、逮捕されちゃいました。酔っ払ってたみたいですけど。期待に違わずアホですねー。 (詳しくは、こちら) エディの逮捕写真 ↓ (同一人物ですけどね) しかし、こうやってすぐに逮捕写真(mugshot)が公開されちゃう国っていうのも、凄いなって思います。飲酒運転くらいでも、逮捕されて写真公開されちゃうんですよ(←キアヌも公開済み)。さすがアメリカです。日本も見習って欲しいです(特に、性犯罪者とか!) (エディのmugshotは、こちら)(その他の有名人mugshotは、こちら) そうそう、気になるエディの彼女ネタ。エディはデビュー当時、10歳年上の家庭教師と付き合ってたんですよね。その後、ナターシャ・リオン、パリス・ヒルトン、ジョリーン・ブラロック、などと付き合っていましたが、現在は誰と付き合っているのかは、わかりません。映画にもちょこちょこ出ていて、最近では、マドンナ主宰の製作会社マーヴェリック・フィルムズとプライムタイム・ピクチャーズによる『Cruel World』や、『Jimmy and Judy』などに出演(日本公開未定)。すっかり肉づいてしまったエディ、今後もしばらく、傍流マニアック(&バカ)路線が続きそうです。ガンバレ、エディ! そんなわけで、何がどうイビツ系ハンサム論なんだよ? というツッコミもあろうかと思いますが、とにかく、現代のセンスとどこかズレていて、結局イビツなキャラクターにならざるを得ないような美形、ということで。 >> 現在のビヨルン・アンドレセンの画像満載・・。 「My Sweetest Eddie」 >> ビヨルン・アンドレセンの画像満載サイト 「"Death in Venice" Publicity Stills」 >> 来日したビヨルン・アンドレセンの画像 「せっちゃんのデジタルけものみち」 これは非常にレアな画像です!! 当時、来日したビョルンをご自宅で接待した時の記念写真を、 せっちゃんさんが公開されています。これは貴重ですよー。 >> エドワード・ファーロングのファンサイト 「My Sweetest Eddie」 >> エドワード・ファーロングの画像満載のサイト 「美少年」 「Edward Furlong」 「Edward Furlong in American History X」 「ポン・デ・リング」
by houtoumusume
| 2006-01-16 11:48
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