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2005年 07月 13日
海外セレブのゴシップニュースを見るたびに、「何故みんな一様にポロリするのだろう?」と不思議に思います。あ、ポロリというのは、もちろん乳房ポロリのことです。「なんだ、またポロリか」って思ってしまうほど頻繁に起こっています。。確かに、あちらの人々は下着をつけていないうえに、さらに露出度の高いドレスを着ているから、はずみで見えちゃうのも仕方がないのかもしれません。日本ではノーブラってほぼあり得ないですから、そういうハプニングはないと思いますけど。でも、去年のジャネット・ジャクソンのポロリ事件じゃないですが、意図的な話題作り&売名行為っていうのは絶対あるんだろうな~とは思います。
でもそれも、広い意味で考えれば正しいことなのかもしれません。ファッション史の本をパラパラめくってみると、強調するにせよ目立たなくするにせよ、(西洋の)女性にとって乳房がいかにファッションの大切なポイント・要であったことがよーくわかるのです。(ちなみに、私は日本人だからなのかよくわかりませんが、全く胸にこだわりがないです。バランスがとれていればいいっていうか、さして重要ポイントではないです。) 例えば、遠く遡って古代エジプト(B.C.3000年~B.C.30年)や古代クレタ(B.C.2000年~B.C.1400年)では、女性は乳房をむき出しにしていました。乳房に対する羞恥心がないどころか、多産の象徴として尊ばれたのだそうです。乳房に対する羞恥心が発生したのは、ギリシア・ローマ時代に入ってからでした。 それから時代はかなり下りまして・・・、 中世ヨーロッパでは、12世紀頃から体の線をハッキリ見せるボディコンシャスなセクシィ・ファッションが流行します。そして、とうとう、ポロリがハイ・ファッションとなるのです! それは、15世紀のフランスでのこと。当時のフランス王シャルル7世(Charles VII-勝利王)( 1403-1461)には、公式に認められた愛妾がいました。それが、アニェス・ソレル(Agnès Sorel)(1422-1450)。美しいアニェスは宮廷のファッションリーダーとなり、ついに片乳をさらしたポロリ・ファッションまで流行らせるに至ります。 そのアニェスの肖像画がコレ↓ さらに、アニェスをモデルにした聖母像がコレ↓ Jean Fouquet (1416-1481) もうちょっと大きくしてみると・・・ いや、ポロリっていうか、そのまんま曝しているのですが。これがファッションだったというのだから、驚きです! 当時は、こういう「小ぶりの胸」と、それから「丸みのある腹」が理想の女性像だったのだそうで。そういえば、アニェスの時代よりもちょっと後になりますが、ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach 1472-1553)の描く女性も、小ぶりの乳房、丸みのある腹が特徴です(そしていつも全裸)。加えて、アニェスの肖像と同じように、丸くて小作りな顔。当時はそういうタイプの女性が理想とされたのでしょうね。でもこれらの特徴って、すごくロリータ趣味のような気がします・・・↓ Lucas Cranach (1472-1553) ちなみに、アニェス・ソレルには面白い話がたくさんありまして、フランスで初めて公式の愛妾というポジションをゲットした(最後はデュバリー夫人)とか、女性で初めてダイアモンドを身につけたとか。政治にも関与していて、あのジャンヌ・ダルクを援助するようシャルル7世にアドヴァイスを与えたとか。当時のフランスは、イギリスとの戦争(百年戦争)で苦戦を強いられていたのですが、ジャンヌ・ダルクの登場によって戦況は一変し、フランスが勝利を得ることになるのです。 そんな権力をもったアニェスでしたが、28歳という若さでこの世を去ります。ところが、2004年、彼女の墓に調査が入りました。アニェスの遺骨からは、なんと、高濃度の水銀が検出! 当時、水銀は薬として使用されていましたが薬にしては量が多すぎるため、毒殺だろうと判断されました。合掌。 コレ↓もアニェス。 その後のヨーロッパでは、コルセットの定着とともに、デコルテを大きくあけ、そしてコルセットできつく締め上げることで上乳(という言い方はあるのだろうか?)を大きく盛り上がらせる、というようなバスト強調法が基本になっていきました。 ところが、フランス革命が終了した18世紀末に、突如コルセットが流行らなくなるのです。そう、シースルーなシュミーズ・ドレスの大流行です。その当時のファッション・リーダーが、テレーズ・カバリュス、つまりタリアン夫人(Therese Cabarrus、Madame Tallien)(1773-1835)でした。 1795年、オペラ座の舞踏会に現われたタリアン夫人は、下着をいっさいつけず、シュミーズ・ドレスと、指輪と、サンダルを身につけただけで登場。センセーションを巻き起こし、パリの女性は競ってその真似をします。実は、これは古代ローマのリヴァイヴァルであると同時に、イギリスのストリップ・ファッションだったのだそうですが・・・わかっててやったのかな。。 タリアン夫人の肖像。 左胸が「半」ポロリ↓ François Gérard タリアン夫人の肖像ふたたび。 で、結局全開↓ もちろん、いつもこの格好だったわけではないでしょうが、でも薄っぺら~なシュミーズ・ドレス一枚で、下着もつけていないのだから、そりゃあスケスケだったことは間違いありません。タリアン夫人は、生涯コルセットをつけず、美貌をキープするために、木苺と苺を砕いて入れた風呂に入っていたらしいです(何だかよくわかりませんが)。 タリアン夫人は美貌と金遣いの荒さと自由奔放さで鳴らす、典型的な浮気女でした。あのサド侯爵をして「パリで一番の娼婦、愛欲そのもの」と言わしめたっていうのが、なんともスゴイ話です。。ちなみに、後にナポレオンの最初の妻になるジョセフィーヌとは大の仲良しで(←革命政府に睨まれたためにぶちこまれた獄中で知り合う)、ナポレオンがジョセフィーヌを見初めたのも、タリアン夫人のサロンがきっかけなのでした。 そんなわけでポロリ・ファッションをチラ~と見てみましたが、、翻って現代。 ハリウッド方面では、日常茶飯事のように美女たちが競ってポロポロしてらっしゃるようです。女の魅力を誇示するには、最もてっとり早い方法のひとつなんでしょうね。どんなに高価なお洋服でオシャレしたって、それだけのインパクトとフェロモンはなかなか醸し出せませんからね。アニェスやタリアン夫人のように、ポロリもオシャレの一つだと思えば「納得!」なわけです。 参考までに、「ABC振興会」では、沢山のセレブたちのポロリ・ファッションが見られますよ~ パメラ・アンダーソン ソフィー・マルソー タラ・リード←『アメリカン・パイ』『ビック・リボウスキ』などに出演の女優。 ビジョー・フィリップス←ママス&パパスの娘で、パリスの親友で、美女モデル。 ジャニス・ディキンソン←70年代の元祖スーパーモデル。これで51歳って、驚愕! ペネロペ・クルス←これは水着姿ですが。 それから、おなじみパリス・ヒルトン嬢の手持ちの画像も載せたいんですが、エキサイトからクレームがくると不愉快なので、今回はやめておきます・・・・。そのかわり、最近流出した、美形男子に囲まれてポロリしながらはしゃぐパリスたん(たぶん4、5年前)の動画のリンク先を。。。こちら。
by houtoumusume
| 2005-07-13 16:58
| ◆御洒落
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