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2005年 07月 05日
前回に引き続き、ハーバート・リスト(Herbert List) の
「ヘンテコセンスとモダンな意匠の素晴らしき邂逅」シリーズ。 ■トレパネーション編 撮影:Herbert List 「Trepanation」(1944) ![]() トレパネーション(trepanation)ってご存知でしょうか? 頭蓋骨にドリルで穴を開けることによって脳を開放し、パキパキにハッピーになろう!っていうトンデモ療法。山本英夫のマンガ『ホムンクルス』にも出てくるので、有名かもしれませんね。その原理としては、脳をしめつけている頭蓋骨に穴を開けることによって血液の脈動をとりもどし、さらに脳に外気を直接触れさせることで十分な酸素を補給する、すると生まれ変わったような高揚感、至福感、覚醒感などが得られる、とのこと。 >>手術過程の様子は、こちら(注意:ちょっぴりグロです)。 1960年代のカウンターカルチャー花盛りの時代に、究極のトリップ法として支持されたこの療法、1962年にオランダの学者バート・ヒュージが提唱したものの、すぐさま彼は精神病院行きに。が、それに感化されたイギリス人青年ジョーイ・メレン君が、1970年に電気ドリルで自力で穴を開けることに成功。その後、恋人のアマンダ嬢も電気ドリルで穴を開け、脳を開放します。しかも彼ら、そのときの様子を映像に記録。『脳の中の鼓動(headbeat in the brain )』というタイトルで、’70年代にヨーロッパ各地で上映されたのだそうです。ものすごい時代ですね。私も見たくてたまりません。 下は、18世紀にフランスで描かれたイラストです。昔から民間療法として普及していたのでしょうか。ハーバート・リストの写真に写っているのと同じ器具を使ってますね。穴を穿つ場所も同じです。構図がとても似ているので、このイラストを参考にしたのかもしれません。 ![]() ところで、注目したいのが、ハーバート・リストがこの写真を撮影したのは1944年だということ。カウンターカルチャーもヒッピーブームもその気配さえない時代ですよ。いくらなんでも何故トレパネーション? そう思ってちょっと調べてみたら、ポルトガル人のエガス・モニスによってあの悪名高きロボトミー手術が考案されたのが、1935年。ロボトミー手術の世界的なブームが起こったのが、第2次大戦(1945年)以降。モニスにノーベル医学賞が授与された(!)のが、1949年。つまり、1940年代は、ロボトミー手術への関心が非常に高かった時代だったのです。もちろんロボトミー手術とトレパネーションは別のものですが、頭に穴をあけて精神的な治療をする、という点では同じですね。そんな流れから、ハーバート・リストはトレパネーションに関心を持ったのではないか、と思われます。ちなみに、あの女優フランシスがロボトミー手術されたのは1950年でした。 現在、バート・ヒュージ氏の弟子ピート・ハルヴォーソン氏が、ITAG(Internationarl Trepanation Advocacy Group)なるものを主催し、トレパネーションの普及につとめているようです。公式サイトでは、こんな↓シックな?Tシャツも販売中! ![]() >>トレパネーションについて詳しいサイト 「空腹海岸」 「x51.org」 ハーバート・リストの「ヘンテコセンスとモダンな意匠の素晴らしき邂逅」、まだ続きます~
by houtoumusume
| 2005-07-05 00:30
| ◆芸術
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